IS-ISのパケットフォーマット
IS-ISのパケットフォーマットに関しては、以下の3点を押さえましょう。
・ IS-IS is not encapsulated in IP.
・ IS-IS is directly encapsulated in the data link layer.
・ 0XFEFE is used in the Layer 2 header to identify the Layer 3 protocol.
IS-IS headerには、以下のような情報があります。
・ Intra-domain routing protocol discriminator
・ Header Length Indicator
・ Version/Protocol ID Extension
・ ID Length
・ Reserved
・ PDU TYPE
・ PDU Versoin
・ Reserved
・ Maximum Area Addresses
PDU(Protocol Data Unit)
IS-IS dataのPDUには以下の大きく4種類がありますが、これをより詳細に見てましょう。
1. LSP
⇒ リンクステート情報を通知するために使用
2. Hello PDU
⇒ ES ⇔ IS間、IS ⇔ IS間でやりとりされるPDU(ESH、ISH、IIHの3種類がある)
3. PSNP
⇒ リンクステート情報を認知、要求するために使用
4. CSNP
⇒ ルータの完全なリンクステータスのデータベースを配布するために使用
PDU | PDU Type | PDU Name |
Hello PDU | 15 | Level 1 LAN Hello |
16 | Level 2 LAN Hello | |
17 | P2P Hello | |
LSP | 18 | Level 1 Link StatePDU |
20 | Level 2 Link StatePDU | |
CSNP | 24 | Level 1 CSNP |
25 | Level 2 CSNP | |
PSNP | 26 | Level 1 PSNP |
27 | Level 2 CSNP |
レベルごとに分類されていることが分かります。次に、Hello PDUに注目してみるとHelloがLAN(ブロードキャスト)とP2P(ポイントツーポイント)がありますが、NBMAがないことが分かります。つまりIS-ISではNBMAがないことが分かります。また、Holdタイマーの値がOSPFとは異なります。詳細は下表ですが、Hello10秒とHold30秒と覚えれば良いだけです。
Network Type | IS-IS | OSPF |
Point-to-Point | Hello 10秒 / Holdtime 30秒 | Hello 10秒 / Dead 40秒 |
Broadcast | Hello 10秒 / Holdtime 30秒 | Hello 10秒 / Dead 40秒 |
NBMA | N/A | Hello 30秒 / Dead 120秒 |
TLV( Type Length Value )
LSPには「 TLV 」と呼ばれるフィールドが多数含まれています。
TLVとは、文字通り「タイプ」「長さ」「値」が1つのセットになった可変長データです。
TLVには、ISネイバーの情報、認証情報、IPサブネットの情報(Integrated IS-ISの場合)等が含まれています。その他、具体的には以下のような情報があります。
タイプ | TLV | 説明 |
1 | Area Addresses | ルータの所属するエリアアドレス |
2 | IS Neighbours | このルータと隣接するIS(ルータ) |
3 | ES Neighbours | このルータと隣接するES(ホスト) |
5 | Prefix Neighbours | このルータが通知するOSIルート |
10 | Authentication Information | LSPの認証情報 |
128 | IP Internal Reachability Information | このルータが通知するIPv4内部ルート |
129 | Protocol Supported | このルータのサポートプロトコル体系 |
130 | IP External Reachability Information | このルータが通知するIPv4外部ルート |
132 | IP Interface Address | このルータが通知するIPv4内部ルート |
137 | Dynamic Hostname | このルータのホスト名 |
232 | IPv6 Interface Address | IPv6インタフェースアドレス |
236 | IPv6 Reachability | IPv6ルート情報 |
この表を見ると、Integrated IS-ISが「IPv4ルート」や「IPv6ルート」を伝送してくれるものであるといよいよ認識できるかと思います。次回は「 NSAPアドレス 」について解説します。