Integrated IS-IS <第5回> PDUとTLV

IS-ISのパケットフォーマット

IS-ISのパケットフォーマットに関しては、以下の3点を押さえましょう。

・ IS-IS is not encapsulated in IP.
・ IS-IS is directly encapsulated in the data link layer.
・ 0XFEFE is used in the Layer 2 header to identify the Layer 3 protocol.

routingis11

IS-IS headerには、以下のような情報があります。

・ Intra-domain routing protocol discriminator
・ Header Length Indicator
・ Version/Protocol ID Extension
・ ID Length
・ Reserved
・ PDU TYPE
・ PDU Versoin
・ Reserved
・ Maximum Area Addresses

PDU(Protocol Data Unit)

IS-IS dataのPDUには以下の大きく4種類がありますが、これをより詳細に見てましょう。

1. LSP
⇒ リンクステート情報を通知するために使用

2. Hello PDU
⇒ ES ⇔ IS間、IS ⇔ IS間でやりとりされるPDU(ESH、ISH、IIHの3種類がある)

3. PSNP
⇒ リンクステート情報を認知、要求するために使用

4. CSNP
⇒ ルータの完全なリンクステータスのデータベースを配布するために使用

PDU PDU Type PDU Name
Hello PDU 15 Level 1 LAN Hello
16 Level 2 LAN Hello
17 P2P Hello
LSP 18 Level 1 Link StatePDU
20 Level 2 Link StatePDU
CSNP 24 Level 1 CSNP
25 Level 2 CSNP
PSNP 26 Level 1 PSNP
27 Level 2 CSNP

レベルごとに分類されていることが分かります。次に、Hello PDUに注目してみるとHelloがLAN(ブロードキャスト)とP2P(ポイントツーポイント)がありますが、NBMAがないことが分かります。つまりIS-ISではNBMAがないことが分かります。また、Holdタイマーの値がOSPFとは異なります。詳細は下表ですが、Hello10秒とHold30秒と覚えれば良いだけです。

Network Type IS-IS OSPF
Point-to-Point Hello 10秒 / Holdtime 30秒 Hello 10秒 / Dead 40秒
Broadcast Hello 10秒 / Holdtime 30秒 Hello 10秒 / Dead 40秒
NBMA N/A Hello 30秒 / Dead 120秒

TLV( Type Length Value )

LSPには「 TLV 」と呼ばれるフィールドが多数含まれています。
TLVとは、文字通り「タイプ」「長さ」「値」が1つのセットになった可変長データです。

TLVには、ISネイバーの情報、認証情報、IPサブネットの情報(Integrated IS-ISの場合)等が含まれています。その他、具体的には以下のような情報があります。

タイプ TLV 説明
1  Area Addresses ルータの所属するエリアアドレス
2  IS Neighbours このルータと隣接するIS(ルータ)
3  ES Neighbours このルータと隣接するES(ホスト)
5  Prefix Neighbours このルータが通知するOSIルート
10  Authentication Information LSPの認証情報
128  IP Internal Reachability Information このルータが通知するIPv4内部ルート
129  Protocol Supported このルータのサポートプロトコル体系
130  IP External Reachability Information このルータが通知するIPv4外部ルート
132  IP Interface Address このルータが通知するIPv4内部ルート
137  Dynamic Hostname このルータのホスト名
232  IPv6 Interface Address IPv6インタフェースアドレス
236  IPv6 Reachability IPv6ルート情報

この表を見ると、Integrated IS-ISが「IPv4ルート」や「IPv6ルート」を伝送してくれるものであるといよいよ認識できるかと思います。次回は「 NSAPアドレス 」について解説します。

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