CCNP更新はいつまで続ける必要があるのか

当サイトに頂くメールのなかで、ご質問の多いタイトルの件について意見させて頂きます。

例えば、50歳になってCCNPを取得したとしても、そのエンジニアに対する評価は50歳までにどのような経験値を得てきたのかが大きく評価対象となるため、社内評価や転職などにおいてCCNPホルダーであることが重視されることは先ずないと言えます。

つまり、CCNPという資格価値(資格効果)が具体的に何歳くらいまで有効であるのかを見定める必要があります。

なお、本記事はCCNPを否定する記事ではなく、ネットワークエンジニアのみなさんに大切なお金を浪費しないように、という想いで書く記事です。当方自身もCCIE取得の過程でCCNPを取得していますし、CCIEへのステップとして、CCNP取得は重要な過程であると位置づけています。しかし効果のない状態のカードを更新するために38800円も支払う必要はないのです。

※ 2017年2月からCCNPの受験料金が「32400円」から「38880円」に値上げされました。

結論:CCNPは40代になれば更新する必要はないと思います

この記事を書くために色々な人から意見を聞いたり、転職サイトで情報収集をしました。

実は、CCNPが効果があるのは20代だけという意見も多く、かくいう私も30代後半くらいの人が中途採用の面接などにきた場合、その人の取得資格よりも、経験値ばかり見ていました。

そこで「CCNPは30代になれば更新する必要はない」という記事にしようかと思いましたが、多くの転職サイトを確認した所、募集要項に「CCNA/CCNP取得者優遇」が多く見られた点と「CCNPが一定の標準的なネットワーク技術力の証明」となるのは間違いないことなどから、転職時の有用性も考慮して、転職のタイミングの多い20代と30代では保持しておいた方が良いという考えもあってタイトルの結論に至りました。

裏を返せば、40歳になるまでにNWエンジニアとしてCCNP資格が弱いと思うような経験値を得ておくことが重要です。具体的には「メンバー」ポジションだけでなく、PL、PMの経験Cisco以外のいわゆる主要メーカー製品に精通していることを証明できる案件経験などです。

更新費用が5000円とか良心的な金額なら更新し続けても良いと思うのですが、利潤追求を第一に考える私企業のベンダー資格ということもあり、更新料金が高すぎるのが問題なのです。
このような議論がそもそもなくなるよう、CCNPホルダーに優しい更新料金を願っています。

備考1:受験料金が会社支給なら、更新し続けましょう

資格試験の受験料金を全額支給してくれる会社もあります。その場合には遠慮せずにCCNPを更新し続けましょう。業務時間中の受験も許されているのであれば、なお良しです。

CCNPが評価される、評価されない関係なしに、会社負担である場合はコスパなどを考慮する必要がないことからも、更新し続けることをお勧めします。

また、会社によってはCCNPの資格手当が支給される場合があり、その場合にも投資対効果としてプラスになるのであれば、その場合にも更新し続けることを強くお勧めします。

備考2:CCNPを捨てる前にNWスペシャリストを取得しよう

30代でも40代でもいいですが、CCNPを更新しないと決めた場合は、その前に、同じく一定の標準的なネットワーク技術力の証明となる国家資格のネットワークスペシャリストを取得しておくことを強くお勧めします。

国家資格である点、CCNPよりも評価がやや高い点、維持費用が発生しない点など、取得しておくと最高にメリットのある効果的なカードです。

いくら多くのネットワーク経験値を得ていても、やはり無資格よりも自分の技術力を客観的に証明できる資格を何か保持しておきたい、という方にも最適な資格であると言えます。

備考3:CCNPよりも先にNWスペシャリストを取得している方へ

CCNP更新をいつまで続けるのか、というタイトルとは別の内容となりますが、
CCNP取得よりも先にネットワークスペシャリストを取得していて、CCIEを目指すことを考えている方からの「 CCNPを事前に取得する必要がありますか? 」という質問にお答えします。

ネットワークスペシャリストを取得しているなら、CCIE取得前にCCNPを取得する必要はないと考えていますが、試験は受けなくても良いので、CCNA/CCNPの試験範囲を学習することは強くお勧めします。

本来は、CCNA⇒CCNP⇒CCIEという受験の流れが望ましいのですが、ネットワークスペシャリストを取得できているなら、CCNPよりも資格価値のあるカードを得ているので、CCNP取得のためにCCNA(42768円)+CCNP(116640円)= 159,408円も支払う必要はありません。※ この16万円をCCIE取得のための投資や、自分が楽しむための投資をした方が賢明です。

しかし、CCNAやCCNPで習得するネットワーク技術は間違いなくCCIE取得でも役立つので、参考書だけは買うなどして、じっくりと基礎から学習しておくことをお勧めします

市販の参考書が読みやすければそれを購入して学習すれば良いですし、Webで学習したいならCCNAイージス/CCNPイージスで学習するのでも良いですし、とにかくCCNA/CCNPの範囲を学習してから、CCIEの学習を始めることをお勧めします。

独り言:私と一緒に仕事をしている皆さん、すみません。

※ 自分たちの意見が反映されていないとお怒りなるであろう私の近くの皆様、すみません。

ちなみに、私と一緒に仕事をしている人や周りの人は、私と技術力が同じくらいか、それ以上の技術力の人が多いことから「CCNPなんて必要ない」「そもそもCCIEも価値がない」というような強烈な意見も出ましたが、これらの見解はあまり参考にしていません。ごめんなさい。

これらの見解にムッとしたから参考にしないのではなく、30後半と40代だけの意見であった点と、皆さんの対応案件がSランクばかりでレベルが高すぎ客観性が乏しいと思ったからです。本記事をネットワークエンジニア業界全体に対して、より客観性を持たせたかったことから、本記事の見解に至りました。今度、お昼をごちそうするのでお許し下さい。(^-^) ニャア。

色々な考え方があると思うので、1つの意見としてご参考下さい

以上、1つの意見としてご参考頂ければと思います。30代後半になった時に更新するかどうかを考える1つのきっかけとして頂ければと思います。CCIEを取得できていたり、または、それ以上の経験値を得ていれば何も問題はありませんが、そうでない場合はその時に自分にとってベストな合理的な判断を下して、ネットワークエンジニアとして成功しましょう。

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