ネットワークエンジニア、サーバエンジニア、インフラエンジニアに役立つAWSの良書です。
AWSの解説書のなかで、AWSのサービスを組み合わせて特定の要求を満たすシステムを作るための「設計パターンを解説」している参考書は、この本だけではないでしょうか。
日経BP社 :AWS 定番業務システム12パターン設計ガイド
Cisco認定パートナーのベンダーでネットワークエンジニアとしてお仕事をしている場合にはAWSを設計することは役割的にないと思いますが、お客様と、システム構築をオンプレミスで構築するのか、クラウドで構築するのかの議論になった時に役立つ内容が多くあります。
また、社内でネットワーク、サーバなどのITシステム全般を担当しているインフラエンジニアや、SI企業で客先向けにシステム構築を担当されるサーバエンジニアの方にとっては、とても役立つ設計ガイドではないでしょうか。176ページと適量で読みやすくとても分かりやすい。
書籍:AWS 定番業務システム12パターン 設計ガイド– 2016/6/15
著者:川上 明久さん
目次:第1章 Webシステム
・ キャンペーンサイト
・ コーポレートサイト
・ 性能重視のイントラWeb
・ 可用性重視のイントラWeb第2章 ストレージシステム
・ バックアップ
・ ファイルサーバー第3章 データ分析システム
・ 構造化データの分析
・ 非構造化データの分析第4章 クラウドネイティブ
・ サーバーレスのインフラ第5章 アプリケーションの高速開発
・ サーバーアプリの高速開発
・ モバイルアプリの高速開発第6章 ハイブリッドクラウド
・ オンプレミス環境との連携
なお、実際の操作画面に沿って構築方法を具体的に説明している参考書はこちらです。
日経BP社 :AWS 完全ソリューションガイド
264ページということで適量であり、こちらの参考書も読み進めやすいです。
ただし、入門レベルから標準レベルの範囲であり、ある程度の経験がある方にとっては物足りないかもしれません。内容紹介では以下となっています。
仮想コンピューティング環境のAmazon EC2をベースに仮想プライベート環境の構築など基本的なインフラ構築からスタート。続いて、ストレージサービス「S3」の活用、イベント駆動型のプログラム実行基盤サービス「Lambda」などを使ったAPサーバーの構築、データベースサービス「RDS」や「Aurora」の活用、AWSシステムの管理まで、主だった機能を網羅的に取り上げます。
操作画面に沿って構築方法を解説するこちらの参考書はネットワークエンジニアの方ではなくサーバエンジニアやインフラエンジニアの方にお勧めの参考書です。
ネットワークエンジニアの方には、AWSに関する最低限の設計知識を知っておくという意味で、最初に紹介した「定番業務システム12パターン設計ガイド」の方がお勧めです。