◆ 災害時などでの被災者の捜索活動支援を可能に
KDDI と KDDI 総合研究所は、災害発生時の迅速な救助活動に貢献するため、ドローンに小型携帯電話基地局を搭載したドローン基地局を用いた携帯電話位置推定技術を開発し、携帯電話捜索の実証実験に成功しました。
これにより、災害時などで被災者の特定ができない状況においても、被災者が所持する携帯電話の位置を推定し捜索活動を支援することが可能となります。
なお、本事業は、総務省より技術試験事務「移動型の携帯電話用災害対策無線通信システムに関する調査検討」として受託し、得られた知見を基に技術開発を実施したものです。
KDDIニュースリリース 2019/3/1
本実証実験では、携帯電話のエリア外において、ドローン基地局による携帯電話からの信号 (LTEもしくはWi-Fi) を捕捉し、携帯電話の位置を推定する技術を開発しました。
具体的には被災エリア一帯にドローン基地局を飛行させ、携帯電話から信号を受けるたびにドローンの位置を記録します。同一の携帯電話から複数の信号を受けることで、携帯電話のおおよその位置を推定することができます。
これにより、被災者の特定が困難な状況であっても、携帯電話の位置が推定される場所から捜索活動を行うことが可能となります。今後、自治体や救助機関に対して本技術の活用に向けた詳細なヒアリングを行い、災害救助へ資することを目指します。
◆ 実証実験の様子
実証実験で使用したドローン
位置推定の画面
◆ 実証実験概要
[1] ドローン機体にWi-Fi通信システム (Wi-Fiアクセスポイント・ロケーションサーバ) 搭載。
[2] 携帯電話のWi-Fi機能を使ってLTEの信号を模して、信号の検出と携帯電話の位置を推定。
[3] 携帯電話のエリア外における携帯電話からの信号の捕捉については、以下2つの試験で検出することを実証。
(ア) 電波を通さないシールドルームにおいて、携帯電話のLTE電波を用いて、ドローン基地局が携帯電話からの信号を検出できることを実証。
(イ) 2017年12月14日に屋久島で実施したドローン基地局を活用した実証実験における実験データから、LTE電波による携帯電話電波検出のデータを用いて、オフラインにて携帯電話の位置を推定できること実証。
Source:https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2019/03/01/3645.html