検体採取後、約30分で検出可能な「新型コロナウイルスRNA検出試薬 LAMPdirect / Genelyzer KIT」の販売開始について
・ キヤノンメディカル 2021年1月8日 プレスリリース
キヤノンメディカルは、蛍光LAMP法による「新型コロナウイルスRNA検出試薬 LAMPdirect / Genelyzer KIT」を研究用試薬として、本日より販売を開始します。
本試薬は島津製作所のAmpdirectTM技術による専用試薬「LAMPdirect」を用いており、検体採取後、結果を得るまで約30分と大幅な時短を実現しました。なお、本試薬の性能評価については、昨年10月に国立感染症研究所のホームページで公表され行政検査に使用可能です。
すでに販売中の研究用試薬「新型コロナウイルスRNA検出試薬Genelyzer KIT」は、新型コロナ対策として昨年4月末の長崎クルーズ船乗組員集団感染での行政検査などで活用され、迅速・高感度な遺伝子検査法として評価されてきました。
一方、お客様から「前処理法の省力化、さらなる時間短縮を」との声も多く寄せられていました。本試薬は採取した検体をLAMPdirect溶液に添加後、90℃で5分加熱処理するだけで、ウイルスを不活化、LAMP阻害物質の作用を抑制できます。従来の代表的な抽出法と比較して前処理時間は半分以下、手順も11ステップから3ステップと大幅に省力化することで、手技ミスやコンタミネーションなどの検査リスクも低減します。また、検出用試薬も事前に調製(混合)した「プレミックス試薬」を実現し、検出試薬調製作業の省力化を進めました。
本試薬は、昨年11月8日に国立代々木競技場で開催された「体操国際競技会 Friendship and Solidarity Competition」の前日までに、実用試験として約200名の大会・報道関係者に対するオンサイト検査を実施、検体受理から最短42分での検査結果報告を実現しました。
国際体操連盟の渡邊守成会長からは、『各種スポーツ大会が新型コロナにより相次いで中止となる中、 開催条件となる感染症対策の大きな武器となり大会開催を可能にしてくれた』と、高く評価いただきました。
今後、スポーツやコンサートなどのイベント会場や、空港・埠頭などの検疫所、災害被災地のボランティア受け入れ、さらには救急搬送者や術前検査のような緊急性の高い医療現場など、より迅速に、かつ高感度な遺伝子検査が求められるシーンでの活用が期待されます。
Source:https://jp.medical.canon/News/PressRelease/Detail/96856-834