新電力である楽天エナジーは、本日26日に楽天でんき・楽天ガスの新規の申込受付を一時停止しました。卸売電力市場価格の高騰が影響しています。
「楽天でんき」新規申込受付を一時停止 電力需給の厳しさ影響
2021年1月26日 15時59分
電力の小売り事業に新規に参入した「新電力」と呼ばれる事業者の楽天モバイルは、提供している「楽天でんき」のサービスについて、新たな申し込みの受け付けを一時、停止すると発表しました。
寒さなどの影響で電力需要が増えて調達コストが上昇しているためで、電力需給が厳しくなった影響が新電力の事業に及んでいます。
発表によりますと新たな申し込みの受け付けを一時、停止したのは、楽天モバイルが提供する家庭向けの「楽天でんき」と、法人向けの「楽天でんきBusiness」、それに、家庭向けの電力とセットでガスを供給している「楽天ガス」です。理由について会社は、寒さの影響で電力需要が高まっていることに加え、火力発電の燃料となるLNG=液化天然ガスの在庫の減少などで発電量が減ったことで、電力の卸売市場の価格が高騰し調達コストが上昇したためだとしています。
会社では契約済みのサービスについてはこれまでどおり供給を続けるほか、26日の午後0時半までに申し込みを終えた契約についても、手続きを進めるとしています。この会社は「新電力」と呼ばれる小売り事業者として、基本料金を設定せず、使用量に応じて料金がかかるサービスを提供していましたが、電力需給が厳しくなった影響が新電力の事業にも及んだ形です。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210126/k10012833681000.html
楽天エナジーではなく、秋田県鹿角市に設立された第三セクターの新電力の「かづのパワー」については、来月14日で事業を休止することになりました。
鹿角市によりますと、調達価格は電力の卸売市場の価格に連動することになっていて、去年4月から11月までは、1キロワットアワー当たり4円から7円でしたが、その後、値上がりに転じ、1月12日には1日の平均価格が160円まで高騰したということです。
このため会社では、これ以上事業を続けても採算はとれないと判断し、2月14日で事業を休止することを決めました。これまで電力を供給していた公共施設は今後、東北電力ネットワークから供給を受けるということです。
鹿角市産業部の田口善浩部長は「事業の休止は非常に残念だ。市場価格がこれほど高騰したのは想定外だった」と話しています。
また、かづのパワーは「電力の地産地消を目指してきたので、期待にこたえられない結果となり残念だ」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210126/k10012834261000.html