ソニーのゲームアプリで、映像信号と操作信号の送受信に異なる性質を有するネットワークスライスを割り当てることで、安定したプレイを実現する環境を構築できることを確認したようですが、1つのアプリに対して複数のネットワークスライスを使い分ける実証は世界初です。
ソニーとKDDI、5G SA構成で複数ネットワークスライスの同時通信に成功
~世界初、一つのアプリケーションで複数ネットワークスライスを活用~
ソニー株式会社
KDDI株式会社
2022年12月16日 ニュースリリース
ソニーとKDDIは2022年10月14日、5G スタンドアローン (以下 5G SA) 構成で複数のネットワークスライスを使い分けて同時利用する技術実証に成功しました。
本実証では、ソニーのゲームアプリケーションにおいて、映像信号と操作信号の送受信に異なる性質を有するネットワークスライスを割り当てることで、安定したプレイを実現する環境を構築できることを確認しました。一つのアプリケーションに対して複数のネットワークスライスを使い分ける実証は世界初となります。
両社は5G SAを活用した新たなビジネスユースケースやエンターテインメントサービスの創出を目指した技術実証を2021年1月から推進しています。本実証も両社の取り組みの一環です。
なお、本実証はエリクソン・ジャパンの協力のもと実施しました。
■ 本実証の背景
・ ゲームストリーミングや映像配信において、周囲の通信状況に影響されず安定的に利用するため、5G SA構成でのネットワークスライシングの活用が期待されています。こういった用途では、映像などのデータのやりとりには高速性、制御信号のやりとりには低遅延性といった異なる特徴の通信が必要となることが想定されます。
・ 現状のネットワークスライシングでは、スマートフォンなどの通信機器と適用されるネットワークスライスが紐づいており、一つの通信機器上で複数種類のネットワークスライスを利用することはできません。
・ ソニーとKDDIは、2022年2月に5G SA構成でのネットワークスライシングを活用する取り組みとして、ゲームストリーミングを想定した実証を実施しました。同じネットワークで提供される他サービスからの影響を受けにくい安定した通信により、外出先でもスマートフォンで安定してゲームをリモートプレイできることを確認しました。
■ 本実証について
本実証では、3GPPで標準化された機能「URSP (User equipment Route Selection Policy)」を実装した5Gコア装置と5G SA対応のXperia (TM) スマートフォンを使用しました。
5Gコア装置からスマートフォンにURSPのプロファイルを通知することで、単一のゲームアプリケーションに対して、映像信号と操作信号の送受信に異なる性質のネットワークスライスが割り当て可能であることを確認しました。
今後、操作信号は低遅延で確実に通信可能なネットワークスライスを利用し、映像信号は無線環境に応じて最適化することで、無線環境が変化した場合でもより一層安定したゲームプレイが可能となります。