GigabitEthernet:speed duplex:Autoと固定設定
現在の企業ネットワークでは、エッジスイッチでも「GigabitEthernet ポート」であることが一般的となってきているので、そもそも「speedとduplex」の「Auto」「固定」で悩むことは少なくなってきています。
1000BASE-Tでは、イーサネット機器同士の自動認識(オート・ネゴシエーション)が義務となっているからです。そして、1000BASE-Tのポートの設定で「Auto」「固定」があっても、設定ポリシーとしても「Auto」としている企業ネットワークは多いと思います。
FastEthernet / Ethernet:speed duplex:Autoと固定設定
さて、問題は「100Base-TX」「10Base-T」のFastEthernetやEthernetポートの場合です。これらのポートでは明確に定めれられた「推奨設定」というのはないようです。
そこで重要な点は以下の2点となります。
◆ 両側の機器で 「固定設定 ⇔ 固定設定」 または 「Auto設定 ⇔ Auto設定」 と合わせる。
◆ メーカー側で「固定」や「Auto」の推奨設定が指定されている場合には、それに従う。
一方の機器で「固定」、もう一方の機器で「Auto」にした場合、duplexでは「 half 」状態となり、これらの機器間では通信モードの不一致が発生してしまいます。この状態でIPパケットによる音声通話を行えば、音声品質に直接的な影響が出て「障害発生状態」と見なされます。
ですから、両側の機器で「固定設定」または「Auto設定」は必ず合わせるようにしましょう。
WAN側のONU・キャリア機器に接続する場合は要注意!
ONUのポート側では固定設定であることが多いため注意が必要です。しっかり事前に確認してから接続するようにしましょう。
ちなみに、自分で制御できないONUなどのキャリア機器、外部ベンダーの導入機器と接続する場合、相手側が「固定設定にする」と決まった場合でも、当方はAutoに設定した上で最初にIEEE802.3uによる最適化の結果を見るようにします。例えば、こちらの機器が「半二重」になれば相手側の機器は間違いなく「固定設定」であることを確認できます。それを確認できてから「固定設定」にしています。
仮に、「全二重」になった場合は、相手側が間違えているか、両者の認識違いがあったことを確認することができます。サーバと接続する場合も同じで、先ずAutoにしてステータス結果を確認しています。そうすることで相手のミスもつぶせます。通信モード不一致の回避策です。
※ このような行為を行う前に、お客様に事前に了承を得て実施しています。
※ 作業手順書があり、自身に裁量権がない場合はこのような勝手なことするのはダメです!
参考:speed / duplex に関する当方の設定ポリシー
ちなみに、以下は当方の設計ポリシーです。要するに基本的に漏れなく「Auto設定」とさせて頂いていますが、接続先機器側の都合で「固定設定」にする必要がある場合は固定にします。
◆ ネットワーク機器 ⇔ ネットワーク機器の接続:Auto ⇔ Auto 設定
⇒ 理由:FastEthernetの場合、IEEE802.3uによる自動最適化の結果を確認できるため。
◆ スイッチ ⇔ PCの接続:Auto ⇔ Auto 設定
⇒ 理由:PCのNICのデフォルト設定がAutoであるため。
◆ スイッチ ⇔ サーバの接続:サーバ側の設定に合わせる
⇒ 備考:どちらでも良い場合には、両機器とも「Auto」設定としている。
◆ ネットワーク機器 ⇔ ONUの接続:ONU側の設定に合わせる
⇒ 備考:キャリア側の設定に合わせる必要がある。
当方はネットワークエンジニアになりたての頃、half状態を見逃してお客様に多大なるご迷惑をかけた経験があります。その際には障害報告書も書きました。
本当に申し訳なく、色々な方に何度もお詫び申し上げました。何ともつらい思い出です。
その障害を経験してから、Catalystならsh interfaces status、Ciscoルータならsh interfacesを神経質に確認して「half」が存在しないかキッチリと確認しています。
自分が苦い経験をしたので同じ苦しみを味わってほしくないので、何度も書いている内容かもしれませんが、またまた書かせて頂きました。以上、ご参考頂ければ幸いです。