PoEはCat5以上のUTPケーブル上で電力を供給する技術のことであり、PoEの給電仕様は以下の通りとなっています。
例えば、クラス3のIP電話機に電源供給する場合には、1ポートで15.4Wの電力供給可能なPoEスイッチを選定する必要がありますし、802.11ac対応の無線アクセスポイントに電力供給する場合は1ポートで 30W or 60W の電力供給可能なPoEスイッチを選定する必要があります。
| クラス | 給電機器の電力 | 使用すべきケーブル | 規格 |
| 0 | 15.4W | Cat5e | IEEE802.3af |
| 1 | 4.0W | Cat5e | IEEE802.3af |
| 2 | 7.0W | Cat5e | IEEE802.3af |
| 3 | 15.4W | Cat5e | IEEE802.3af |
| 4 | 30.0W | Cat5e（Cat6推奨） | IEEE802.3at（ PoE Plus ） |
| – | 60.0W | Cat5e（Cat6推奨） | UPoE（ Cisco独自 ） |
という前提知識があるとして、例えば、あるPoEスイッチがIEEE802.3af対応・IEEE802.3at対応であるとしても「 PoEスイッチ全体で使用できるPoEの電力 」という考え方があるので、選定には注意が必要です。
例えばCisco Catalystスイッチの場合、そのPoEスイッチが48ポートでPoE+（802.3at）対応であっても、48ポートの全ポートで30Wの給電が行えるわけではありませんし、機種によって使用可能なPoE電力が異なるので機種選定の際には注意しましょう。
同じことは他のメーカーのスイッチに言えますので選定の際には注意しましょう。
PoEスイッチを選定する場合は、受電機器のクラスが何であるのかを確認するだけではなく、PoEスイッチ全体で使用可能なPoE電力を確認することが大切です。
こちらは優れた製品で、IEEE 802.3af PoE と IEEE 802.3at PoE+（各ポート最大 30W）の両方をサポートしていますが、機種選定する際にはしっかりと「 使用可能なPoE電力 」の項目も確認するようにしましょう。
機器見積りで「SFPのもれ」などの失敗は、何とか利益を削ってリカバリーできるミスですがPoEスイッチの機種選定ミスなどは大ダメージとなってしまうので、可能であれば同僚や先輩にもチェックしてもらいミスがないようにしましょう。